「おきろーっ!!!!」
大きな声で叫ばれ、ゆさゆさと揺さぶられてあたしは目が覚めた。
「ん…朝からうるさいなぁー……」
「起きろー!起・き・ろぉー!!シャンニュってばー!!!!」
朝から元気いっぱいのこの声は…あぁ、グゥタウか……。
ほんと、野性児の朝は早いんだから……。
ん……?
グゥタウ……????
……?
………!!!!
眠くて落ちかけてた瞼がカッと開いて、あたしは飛び起きた。
「ちょっと!何であんた勝手に人の部屋に上がりこんでんのよ!!!!」
「えー?オレ何か悪いことした?」
ベッドの横の椅子に座って、胡坐をかいてグゥタウは悪びれもなさそうに言った。
あぁ、そうだった。
すっかり忘れていたわ。こいつが野性児だったってことを。
あたしはふぅ、と一呼吸ついて話を始める。
「あのねぇグゥタウ、女の子の部屋には勝手に入っちゃダメなの。わかっ「何で?」
「……」
わからないことにすぐ「どうして?」「何で?」をつけるのはいいけれども。
人の話は最後まで聞こうか、ね?
「他人に見せたくないものとか、あんただってあるでしょ?」
「うん」
「そういうのに関して、女の子はもっとデリケート…そうね、過敏なのよ」
「ふーん。…あ、シャンニュ寝ぐせついてる」
「――!!!!」
グゥタウの右手があたしの髪の毛をつかんだ。
ぴよ、と髪の毛がはねているのがなんとなくだけれどわかった気がした。
「……だから!そういうのを見せたくないから勝手に入ってこないでって言ってんの!」
「ふんふん。わかった!ごめんシャンニュ!」
「わかったならそれでいいわ……」
はぁ、朝からどうしてこんなに疲れなきゃいけないのかしら。
ほんと……嫌になるわ……。
「あ、オレ言い忘れてた!」
「…今度は何?」
かなりうんざりしながらあたしが聞き返すと、
「シャンニュおはよう!」
グゥタウがあまりにいい笑顔で言うものだから、
「おはようグゥタウ」
あたしも笑顔で挨拶を返した。
おしまい。
おまけ。
「朝飯ー食いにいこーぜ!」
「はいはい……」
「?どうした?」
「部屋から出て」
「なんでだよー」
「あたしが着替えるから部屋出なさいって言ってんのーこのバカー!!!!」
「わーっ水の波動はやめろよー!わかったよ出るからー!!」
おしまい。
この二人は仲良しさん。
どっちがどうってわけじゃなく、仲良しさん。
いや、シャンニュはちょっとうんざりしてるだろうけどw
このパーティは被害者側が「だけどあっちのペアよりはマシだ」と思ってそうだ。
どう見ても飛行二人がひどいけどね!
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