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ノマから薔薇百合えろぐろ何でもありですよ。 見るなら自己責任。あ、でも薔薇はなさそうです。
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生への執念か。

Ptシリーズ第二弾。
あ、第一弾は前のやつね。

補足までに、PtはDPの一年後。
主人公のツバキはユリとタメだけど、エドとルイルイを引き取るまで面識は一切なかった。
ユリは超人気のブリーダーとして各地を飛び回り、コハナは行方不明とされてはいるがギンガ団に潜伏中。
ユウトはコンテストのために、カイは国際警察として北の地へ上陸、ツバキとともに男三人旅。
コウキは色違いを探しに西へ、ハルカはまさかのBT乱入。
トレーナー陣はこんな感じですかね。
実はBTには金銀主人公(男)もいるっていう個人的設定。ちなみにリメイク出たら女の子でやります。
金銀主人公なー…エミュレータ使って金銀やろうかな?

今回の話はこの設定とはまったく関係ありません。
前回、助けを求めて友人に連絡を取ろうとしたのに繋がらなかった、その理由。


病は気から。
そうやって自分に言い聞かせて今までやってきたけれど、人生ってなかなかうまくいかないものだよね。

いきなり気持ち悪くなって、咳きこむと、大量の血。
いくら咳き込んでも、止まらない。
それどころか、血が詰まって息ができなくて、苦しい。
あぁ、もう僕はダメなんだ、死神がついに鎌を振り下ろす日が来たんだって、そんな風に思いながら。

――しっかりして!

その声は…マスター?
マスターに心配されるなんて、僕ってなんて幸せ者。

最初もマスターにそう言われて、助けってもらったっけ。
懐かしいな、本当に。
当主になるために修業に明け暮れてた日が遠い昔のことみたい。
森のみんなは今頃どうしてるのかな。
この一年、僕は本当に楽しかった。
仲間もできたし、友達だってたくさんできた。
森にいるだけじゃ絶対にできなかった体験だって、たくさんした。
病気は軽くならなかったけれど、とってもとっても、僕は幸せだった。

マスターの声が、遠い。
ぼんやりしか見えないけれど、一生懸命僕の名前を呼んでる。
大好きなマスターに心配されるんだ、本当に僕って幸せ者だなぁ。
病気にずっと苦しめられてきたんだもの。

最後の最後に幸せを掴んで死んでいくのも、いいよね?



「……ここは……」

さっきまで血を吐いて、とても苦しかったのに、今はとても楽。
夢の中かな?
それとも、この世じゃないのかな?
目の前に広がる暗い空間に、僕は何の抵抗もなく歩きだす。

ところどころねじ曲がっている道。
体が軽くなったかと思えば、一歩進むとずっしりと重力を感じたりする。

ここは、どこなんだろう?
誰か、居ないのかな?
だけど、どこからか音が聞こえる。

音?
違う。
これは。

――音楽。

「誰か、いるの?」

独り言のように呟くと、暗い空間の中に、ぼんやりとシルエットが浮かんだ。
金色の頭に、黒と赤の服。
似たようなひとを僕は知っているけれど、彼とは別人みたい。
だって彼は琵琶を弾いていたし。
向こう側から聞こえる音はギターだもの。

「ここは、どこ?」

シルエットに向かって問うと、音楽が鳴りやんだ。

「人の演奏邪魔すんじゃねーよ」
「邪魔するつもりはなかったんだ、ごめんね」

僕がそういうと、またギターの音が鳴り響く。
僕の質問は完全に無視された。

「ねぇ、聞いてる?ここはどこなの?」

僕の問いにまたもや無視。
それともギターの音で聞こえないのかな?
僕は彼のいる方へ歩き出す。

「…あれ?」

さっきまであった姿が見当たらない。

「ねぇ、どこに「これ以上近づくな」

いきなり正面に探していた彼がいて、ものすごい勢いで蹴り飛ばされた。
衝撃で思い切り吹っ飛ぶけれど、なにも遮るものがないからどこまでも飛んでいく。
途中、重力がかかった場所まで飛んで行った。

「いきなり…何を」
「お前はまだここに来るな」
「――!」

起き上がろうとする僕を見下して、彼は言った。
その姿を、僕は見たことがある。

「死神……」

僕の首に鎌を掛けていた、死神。
ずいぶんと気の長い、死神。
僕が見たのはもっと穏やかな表情をしていたけれど、今はそんな所は微塵も見せていない。

「オレはまだ、お前を送りたくはない」
「ちょっと待って、それってどういう意味?」
「送りたくねぇっつってんだよボケ」
「ボケって…」

ひどいなぁ、僕はまだボケてなんかないよ?

「今お前が死んだら、悲しむ奴が多すぎてあのチビに怒られんだよ」

苦虫を噛むような表情で彼は言った。
とりあえず相当嫌なのはわかった。

「それに、お前の特性を思い出せ」
「特、性……?」

僕はほかのみんなと違って眠れないわけじゃなかったな。
だけど、何の特性かは知らない。

「――まぁいい。とりあえずお前はここからさっさと出てけ」
「……待てよ」
「あ?どうしても死にたいって――ぐっ……!」

キン、と刀を鞘に戻す。

「さっきの礼だ。ありがたく食らっとけ」

そう言って落ちた帽子を拾って、かぶった。

「……はっ、そんだけの刀さばきしてんだったらいつまでもくたばんねーな、お前は」
「?何のこと?」
「もうお前の顔は見たくねぇ。さっさと帰れ」

踵を返してよろよろと歩いていく彼を見送って――





――目が覚めた。

「……」

酸素マスクが取り付けられ、点滴やら何やら、たくさん繋がれている僕の体。
気配を感じて横を見ると、マスターがいる。

「……」

マスター、と声を出したつもりなのに、声が出ない。
だけどマスターは嬉しそうに笑って。

「――良かった……生きてて、良かった……っ」

僕のために涙を流した。












死亡フラグは折りました。
チビ=レイです。
悲しまれるとミーは元気がなくなるです!とか言われたんです。きっと。
彼の首に鎌を掛けていた死神は、フルートオリジンの本性です。
穏やかさんだから。
ちなみに話に出てきた特性は強運。
彼は知らないんですね。
それと、後日談で「僕走馬灯見たよ!」とか嬉々として報告して「バカ!何言ってんだよてめー!」って怒られればいい。
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